お知らせ

KOBE JAZZ DAY 2019 ライブレポート

晴天に恵まれた記念すべき5回目の「KOBE JAZZ DAY 2019」。
11時のスタートより、早速野外ステージは賑やかな飲食ブースも相まって、
多くの人々の歓声があちらこちらから聞こえてきました。
その歓声はいつしか自然と野外ステージで演奏しているミュージシャン達に向かって
送られるように。ノリの良い観客に反応して、益々演奏に熱が入るグループ、
コール&レスポンスで一体となって音楽、場の空気を作っていくグループなどなど、
それぞれが持ち味を活かしたパフォーマンスで大いに盛り上げていました。

場所を文化ホールに移しましょう。今年はホール内で楽器作り体験のワークショップが行われ、また高校生以下は無料招待券を発行するなど例年にも増して、若い世代への訴求を目指していました。今年のテーマの一つでもあった「子どもから大人まで楽しめるジャズデイ!」を体現する取組と言えるでしょう。

メインのホールイベントのラインナップはこれまたフレッシュな顔触れが揃いました。
伊丹市立伊丹高等学校「ICHI☆ITA JAZZ Ensemble 2019」は和気あいあいとした雰囲気で
元気よくホールのオープニングを務めました。
「神戸ユースジャズオーケストラ」は序盤、いつものバンド全体のグルーヴ感、スウィング感が感じられず、少し心配しましたが後半にかけてバンドの一体感が増し、迫力ある音を聴かせてくれたので一安心。結成から3年、今まで引っ張ってきた主要メンバーが卒業し、
新たなメンバーを迎えますが、今後も彼らの成長をしっかり見届けていきたいものです。

第1部の締めくくりは甲南大学「Newport Swing Orchestra」。偉大なるカウント・ベイシーオーケストラのサウンドを標榜する歴史あるオーケストラはスタートからすぐに一体感あるキレのあるビッグバンドサウンドを披露してくれました。シャープで的確なリズムを刻むドラムがバンドの音をグッと引き締めていたのが印象深かったです。
さらにNewportは昨年の神戸新開地ジャズボーカルクイーン、Ami Latteさんとの共演も。Newportにとってはあまり機会のないボーカリストとの共演でしたが、こういった普段ない機会をこれからの演奏に活かしていってほしいと思います。

そして2部、今年のJAZZ DAYのトリを飾るのはラテングラミーを受賞したベーシスト、
ペドロ・ジラウドをフィーチャーした「KOBE JAZZ DAY SPECIAL BAND」。
ペドロの楽想はやはり彼のルーツであるアルゼンチン、南米の香りはもちろんですが、
それに収まりきらない独特の世界観が会場を包みます。この日のステージの前に京都や名古屋など各地で演奏しての千秋楽がこのJAZZ DAYのステージ、また数年前にペドロが来日した時に一緒に演奏したメンバーも多数参加しているのでバンドの成熟はかなりの物。
個人的にはアルトサックスの浅井良将さん、テナーサックスの武井努さんのペドロの音楽を充分に解釈した表現力豊かなソロ演奏が特に記憶に残っています。トリを飾るに相応しいジャズの創造性を大いに感じるステージングを心ゆくまで楽しみました。

野外ステージは音響面でまだまだ課題は残りますが、観客の盛り上がりと満足度は年々良い方向に向かっていると思います。ホールライブに関してはジャズの多様性を伝えるプログラム作りに毎年苦慮されているのは重々承知の上で言いますが、もう1バンド、
できれば少編成のプロのバンドが入ったら、さらに締まったプログラムになったのではないかと感じました。
また来場者には初めてイベントを知った方という方もチラホラ。まだまだ認知への道のりは長い事を改めて痛感しました。
あっという間に5年目を迎えたKOBE JAZZ DAY。しかし、まだ5年でもあります。
JAZZは自由な音楽、今後も様々な企画に果敢に挑戦するステージとしてイベントの成長を願うばかりです。

ジャズライター/ジャズフリーペーパー「VOYAGE」編集長
小島 良太

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